Letter

肥満/腸内細菌相:体重過多と肥満のヒトボランティアでのAkkermansia muciniphilaのサプリメントとしての投与:概念実証のための探索的研究

Nature Medicine 25, 7 doi: 10.1038/s41591-019-0495-2

メタボリックシンドロームはさまざまな併存症が見られることが特徴で、これによって心血管系の症状に加えて2型糖尿病の発症リスクが上昇しやすくなる。腸内微生物相は、肥満に関連した疾患の発症に関わる新規な重要要因である。ヒトでは、Akkermansia muciniphilaの存在量と体重過多(標準体重を超過している)、肥満、未治療2型糖尿病、もしくは高血圧との間に負の相関があることを示す証拠が得られている。ヒトでのA. muciniphilaの投与についてはこれまで調べられたことがないため、我々は体重過多もしくは肥満でインスリン抵抗性のボランティアで無作為化二重盲検プラセボ対照パイロット試験を行った。40人の登録があり、32人がこの試験を完了した。主要評価項目は、安全性、耐容性、代謝パラメーター(インスリン抵抗性、循環血中脂質、内臓脂肪蓄積、体重)であった。副次評価項目は、腸障壁機能(血漿リポ多糖)、腸内微生物相の組成であった。この単一施設試験では、1010個のA. muciniphila菌を生菌あるいは低温殺菌処理後の状態で3か月間毎日経口投与し、これが安全であること、かつ耐容性が良好であることが実証された。低温殺菌処理後のA. muciniphilaは、プラセボ群と比べるとインスリン感受性を改善し(+28.62 ± 7.02%、P = 0.002)、インスリン血症を軽減し(−34.08 ± 7.12%、P = 0.006)、血漿総コレステロールを低減させた(−8.68 ± 2.38%、P = 0.02)。さらに低温殺菌処理後のA. muciniphilaを食餌に加えて投与すると、プラセボ群と比較した場合に体重のわずかな減少(−2.27 ± 0.92 kg、P = 0.091)が起こり、ベースライン時と比較して、体脂肪量の減少(−1.37 ± 0.82 kg、P = 0.092)と腰囲の減少(−2.63 ± 1.14cm、P = 0.091)が見られた。3か月間にわたるA. muciniphilaの食餌に加えての投与の後、肝機能不全や炎症に関連する血液マーカーのレベルは低下したが、腸のマイクロバイオームの全体的構造には影響が見られなかった。結論として、この概念実証研究(臨床試験番号NCT02637115)は、行われた介入が安全かつ耐容性良好であること、またA. muciniphilaの食餌に追加しての投与により、複数の代謝パラメーターが改善されることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度