Community Corner

COMMUNITY CORNER:生殖能力の骨子に迫る

Nature Medicine 17, 5 doi: 10.1038/nm0511-550

生殖器官は骨のリモデリングに作用を及ぼすホルモン群を産生していることがわかっている。これを端的に表している例はおそらく、閉経後の女性で卵巣機能低下によって骨量減少と骨粗鬆症が起こることだろう。一方、骨格の興味深い新たな役割が、最近のF Ouryたちの研究によって明らかになった。骨と生殖能力の間にはこれと逆の関係も存在していて、骨のほうも生殖能力を調節し得ることが示されたのである。彼らはマウスで、骨由来ホルモンであるオステオカルシンが、精巣のテストステロン産生を調節していることを示した。オステオカルシンを欠損するマウスでは精巣重量や精子数が減少し、子孫の数も野生型対照群に比べて少なくなる。この結果は、骨格が生殖の内分泌調節因子として働くことを実証したものであり、雄の不妊の根底にある機構を知る手がかりとなる可能性がある。この研究によって骨と生殖の関係の理解がどう進むかについて、3人の専門家に尋ねた。

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