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がん:樹状細胞でのNLRP3インフラマソームの活性化は腫瘍に対するIL-1β依存性適応免疫を誘導する

Nature Medicine 15, 10 doi: 10.1038/nm.2028

抗がん化学療法の効力は、樹状細胞(DC)に依存する可能性がある。樹状細胞は、死んだがん細胞の抗原提示により、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生する腫瘍特異的Tリンパ球を刺激する。今回我々は、死につつあるがん細胞がATPを放出し、次いでそれがDCのP2X7プリン作動性受容体に作用して、NLRP3(NOD-like receptor family, pyrin domain containing-3 protein)依存的カスパーゼ1活性化複合体(インフラマソーム)が誘導され、インターロイキン1β(IL-1β)が分泌されるようになることを示す。死につつある腫瘍細胞によるIFN-γ産生CD8+細胞のプライミングは、この細胞が機能的なIL-1受容体1を欠く場合には起こらないし、またNlrp3欠損(Nlrp3−/−)マウスもしくはカスパーゼ1欠損(Casp1−/−)マウスでは外部からIL-1βが与えられない限り起こらない。したがって抗がん化学療法は、プリン作動性受容体P2rx7−/−Nlrp3−/−もしくはCasp1−/−の宿主に定着した腫瘍に対しては効果がないことがわかった。アントラサイクリン投与を受けている乳がん患者がP2RX7の機能喪失対立遺伝子をもつ場合は、正常な対立遺伝子をもつ場合よりも早期に転移が起こった。これらの結果は、NLRP3インフラマソームが死んでゆく腫瘍細胞に対する自然免疫応答と適応免疫応答とを結び付けることを示している。

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