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アレルギー:オステオポンチンは樹状細胞サブセットの調節を介してアレルギー性気道疾患に重要な役割を担っている

Nature Medicine 13, 5 doi: 10.1038/nm1580

オステオポンチン(Opn)は1型ヘルパーT(TH1)細胞の免疫反応と自己免疫に重要である。しかし、このサイトカインのTH2を介するアレルギー性疾患での役割や、初めての抗原遭遇および2回目の抗原遭遇への影響は明らかになっていない。本論文では、OPNが喘息患者の肺で発現していること、またOpnの分泌型であるOpn-sが、マウスでTH2エフェクター応答とその後のアレルギー性気道疾患では逆の影響を及ぼし、初回の全身感作時には炎症誘発的に機能し、2回目の肺への抗原投与時には抗炎症的に機能することを示す。このようなOpn-sの影響は、初回感作時には主としてTH2抑制性の形質細胞様樹状細胞(DC)を、2回目の抗原投与時には主としてTH2促進性の従来型DCの調節を介して起こる。肺への2回目抗原投与時に組換えOpnを治療目的で投与すると、確立したTH2応答が減弱し、マウスがアレルギー性疾患から防御された。TH2型アレルギー反応へのこのような影響は、Opn-sが重要な治療標的であることを示唆しており、また免疫におけるOpn-sの役割についての新しい手がかりとなる。

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