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4-1BBを介した慢性関節リウマチの免疫療法

Nature Medicine 10, 10 doi: 10.1038/nm1107

II型コラーゲン誘導性関節炎は、感受性DBA/1マウスにおけるCD4+T細胞依存性の慢性炎症であり、ヒト慢性関節リウマチの動物モデルである。我々は、この関節炎の発症、また既に発症した関節炎が、拮抗的にはたらく抗4-1BBモノクローナル抗体によって妨げられることを見いだした。抗4-1BBモノクローナル抗体は、血清中の抗II型コラーゲン抗体のはたらきを抑え、CD4+T細胞のII型コラーゲンに対する呼び起こし(recall)反応も抑制する。4-1BBの架橋を行うと、4-1BBとそのリガンドである4-1BBLとの相互作用を阻止した場合に起こるものとは異なる、抗原特異的な能動的抑制反応が引き起こされる。抗4-1BBモノクローナル抗体は、CD11c+CD8+T細胞の抗原依存的な大規模なクローン性増殖と、CD11b+単核球およびCD11c+樹状細胞中にインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの蓄積を誘導した。抗インターフェロンγ、およびインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの薬理的阻害剤である1-メチルトリプトファンは共に、抗4-1BB抗体の効果を解消した。我々は、コラーゲン誘導性関節炎の抑制はCD11c+CD8+T細胞の新たな増殖によって引き起こされ、これらの細胞が産生するインターフェロンγがインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼに依存する機構を介して、抗原特異的なCD4+T細胞の働きを抑制すると結論する。

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