Where I Work

Neema Mduma

Credit: Nature by Kang-Chun Cheng

この写真は、2025年8月に同僚らと一緒にタンザニア北部のアルーシャ州シンギシ村の農家を視察に訪れた時に撮影されたものです。私たちが研究所内で開発した、作物の葉の写真を分析して病気の兆候を見つけるアプリ「KilimoAI」の使い方を実演しているところです。

農業用AIアプリの開発は、アルーシャのネルソン・マンデラ・アフリカ科学技術研究所の人工知能・複雑系グループでの私の仕事の1つです。私は、農業・保全・開発分野の現実の課題に人工知能を応用することを目指す複数のプロジェクトを主導しています。

このアプリを開発するため、私たちは農場で健康な植物と病気の植物の両方について、葉の写真を何千枚も撮影しました。現時点で調べることができるのは、トウモロコシ、インゲンマメ属(Phaseolus spp.)の豆類、バナナ、ジャガイモの病気です。

撮影した画像は、アルーシャのタンザニア農業研究所の植物病理学者による検証を受けます。私たちはこのデータセットを使って機械学習モデルを訓練し、健康な植物と病気の植物を見分けるだけでなく、病気の種類まで分類できるようにしています。モデルの精度を評価できるように、データの一部は検証用に取り除いてあります。

KilimoAIは、作物の病気を検出できるだけでなく、どの農薬を使うべきか、承認されている治療薬はどこで入手できるかなど、個別化された推奨情報を提供します。私の主な目標は、早期警報システムによって農家が速やかに病害虫に気付き、適切な対策を講じて収穫量を増やせるようにすることで、食料安全保障を強化し、農家の生計を向上させることです。ポイントは、専門家が持つ農業知識を、幅広い人々が活用できるようにすることにあります。

私たちはこれまでに約6万3000人の農家を支援してきました。2030年までに40万人の農家と協力関係を築くことを目標にしています。

翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 23 No. 2

DOI: 10.1038/ndigest.2026.260256

原文

The apple of my eye: How I’ve created a plant-health tracker for farmers in Tanzania
  • Nature (2025-11-20) | DOI: 10.1038/d41586-025-03723-z
  • Tavares Cebola