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謎の電波バーストは大質量銀河から

遠い銀河から届く強力な電波バーストは、若い天体に関係していると考えられている。しかし、この現象は、数が少ない、大質量の銀河で起こる可能性がより高いことが観測で分かり、その謎めいた起源への新たな手掛かりが得られた。

高速電波バースト（FRB）は、ごく短時間だけ届く電波パルスであり、地球からはるか遠く離れた銀河から来た場合でも観測できるほど高エネルギーの現象だ1。FRBの源は分かっていないが、近年、銀河系（天の川銀河）内の天体から来た、FRBに似た信号が発見され、その起源のヒントになった2。つまり、マグネターと呼ばれる珍しいタイプの中性子星だ。しかし、この銀河系内で起こったバーストは他の既知のFRBよりもかなり弱かったことや、これとは別に、古い星の集団から来たFRBも確認されたことは研究者らを戸惑わせた3。マグネターは若く、とても高エネルギーの天体であるからだ。今回、カリフォルニア工科大学（米国パサデナ）のKritti Sharmaら4は、FRBが発生する銀河の環境の調査結果をNature 2024年11月7日号61ページで報告した。その結果は、FRBは、通常とは異なる過程で生じたマグネターから発生するのかもしれないことを示唆した。

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翻訳：新庄直樹

Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 2

DOI: 10.1038/ndigest.2025.250246

原文

Mysterious radio bursts mostly come from massive galaxies
  • Nature (2024-11-06) | DOI: 10.1038/d41586-024-03465-4
  • Daniele Michilli
  • マサチューセッツ工科大学（MIT、米国ケンブリッジ）に所属

参考文献

  1. Lorimer, D. R., Bailes, M., McLaughlin, M. A., Narkevic, D. J. & Crawford, F. Science 318, 777–780 (2007).
  2. The CHIME/FRB Collaboration et al. Nature 587, 54–58 (2020).
  3. Kirsten, F. et al. Nature 602, 585–589 (2022).
  4. Sharma, K. et al. Nature 635, 61–66 (2024).
  5. Gallazzi, A., Charlot, S., Brinchmann, J., White, S. D. M. & Tremonti, C. A. Mon. Not. R. Astron. Soc. 362, 41–58 (2005).
  6. Schulze, S. et al. Astrophys. J. 255, 29 (2021).

  7. Wang, Z. et al. Preprint at arXiv https://doi.org/10.48550/arXiv.2409.10316 (2024).

  8. Cassanelli, T. et al. Nature Astron. https://doi.org/10.1038/s41550-024-02357-x (2024).