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電池の性能を飛躍的に向上させる溶媒のトリック
リチウム電池のさらなる発展は、充電時間の長さと低温での性能の低さという2つの問題によって制限されている1。これらの問題に対する最も効果的な解決策の1つは、電解液、すなわち、電極間でのリチウムイオン(Li+)の移動を可能にし電池の「血液」として機能する材料の改良である2,3。今回、浙江大学(中国杭州市)のDi Luら4は、小分子からなる有機溶媒が、リチウムイオン電池の電解液のイオン移動度を大幅に向上させ、高速充電を可能にするとともに、−80℃という低温において優れた電池性能を実現できることを実証し、Nature 2024年3月7日号101ページで報告した。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 6
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240643
原文
Tiny sheaths of solvent boost battery performance- Nature (2024-03-07) | DOI: 10.1038/d41586-024-00378-0
- Chong Yan & Jia-Qi Huang
- 共に北京理工大学(中国)に所属。
参考文献
- Cai, W. et al. Chem. Soc. Rev. 49, 3806–3833 (2020).
- Xu, J. et al. Nature 614, 694–700 (2023).
- Holoubek, J. et al. Nature Energy 6, 303–313 (2021).
- Lu, D. et al. Nature 627, 101–107 (2024).
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