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中国が作成した「疑惑の学術誌」リストの最新版

北京にある中国科学院国立科学図書館。 Credit: Yang Qing/Imago via Alamy

中国の研究チームが、信用できない、ハゲタカ的である、あるいは中国の研究コミュニティーの利益にならないと判断した学術誌のリストを更新した。「早期警戒学術誌リスト(Early Warning Journal List)」と呼ばれるこのリストの最新版は2024年2月に発表され、十数社が発行する24誌が掲載されている。今回は、著者が引用数を水増ししようとする「引用操作(citation manipulation)」という不正行為が見られる学術誌が初めてリストに入った。中国科学院国立科学図書館(北京)で学術文献について研究しているYang Liying(楊立英)は、約20人の研究者からなるチームを率いて、2020年から毎年、世界の研究コミュニティーの識見と計量書誌学データの分析に基づく早期警戒学術誌リストを作成・発表している。このリストは徐々に影響力を増していて、中国の省庁が学術上の不正行為に対処するために出した通達に資料として付されたり、中国全土の研究機関のウェブサイトで広く共有されたりしている。このリストに掲載された学術誌は、通常、中国人著者からの投稿が激減する。2024年、チームは初めてリストの作成方法を改訂した(go.nature.com/43apqjj参照)。Yangはそのプロセスと変更点についてNatureに語った。

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翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 6

DOI: 10.1038/ndigest.2024.240617

原文

China has a list of suspect journals and it’s just been updated
  • Nature (2024-03-14) | DOI: 10.1038/d41586-024-00629-0
  • Smriti Mallapaty