ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の性能が大きく向上し、これらを使ったソーラーパネルの本格的な市場投入が間近に迫っているが、その未来は期待通り明るいものになるだろうか。
中国で建物の屋上に設置されたソーラーパネル。タンデム型セルを用いることで、都会の人口密集地における電力密度を向上させられる可能性がある。 Credit: VCG/Getty
ドイツ、ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル郊外の自動車販売店や金物屋が立ち並ぶ一角に、太陽光発電(PV)の秘密がぎっしりと詰まった2階建ての建物がある。ここは、英国のオックスフォードPV社(Oxford PV)が、ペロブスカイトを使った商用太陽電池を生産している工場だ。ペロブスカイトは、一部に「将来のグリーンエネルギーの担い手」とうたわれている、安価で豊富に存在する太陽光発電材料である。荒れ放題の芝生と雑草だらけの駐車場に囲まれたこの工場は、変革をもたらし得る技術を育む揺り籠としては地味だが、同社の最高技術責任者Chris Caseは、明らかにこの場所にほれ込んでいる。「ここは私の夢の集大成です」と彼は言う。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 3
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240332