2022年2月号Volume 19 Number 2

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、宇宙へ

その構想から30余年、ハッブル宇宙望遠鏡の後継「ウェッブ」が2021年12月25日に打ち上げられた。2022年1月9日には主鏡の展開が完了し、1月25日には地球から150万km離れた観測場所に到達した。ウェッブが狙うのは、ハッブルが捉えた深宇宙の更なる深淵、つまり、宇宙が誕生したとされる138億年前だ。

Editorial

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News in Focus

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臨床試験の結果と同等の有効性を実際に発揮できるならば、モルヌピラビルとパクスロビドはパンデミックの今後の流れを変える可能性がある。

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月探査や素粒子物理学など進展が楽しみな分野がある一方で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株に引き続き目を光らせることになるだろう。

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空前の規模の接種作戦により、世界で44億人以上がCOVIDワクチンの接種を受けた。一方で、接種を受けられない人がまだ大勢いるという事実は、2021年のワクチンを巡る動きに大きな影響を及ぼした。オミクロン株の登場により、状況はさらに複雑化している。

2021年も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が人々の生活を支配し続けましたが、その間にも、パンデミックとは関係のない驚異的な科学写真が数多く撮影されました。ヒトとサルのハイブリッド胚から火山灰まで、Nature のニュース&アートチームの 目に留まった印象的な写真を紹介します。

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Feature

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Japanese Author

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2020年春、政府は新型コロナウイルスの感染拡大を食い止める目的で、全国の小中高校を一斉休校とするよう市区町村に要請を出した。休校は、子どもたちに学習不足や運動不足などの悪影響を及ぼしただけでなく、親が休職を余儀なくされた家庭では、経済状況にも影響が及んだ。福元健太郎・学習院大学法学部教授は、自身の子どもの休校体験から「多くの犠牲をもたらした休校に、感染拡大の抑制効果はあったのか」と疑問に思い、公的なデータを用いて「休校にした自治体」と「開校にした自治体」の新規感染者数を比べ、「休校による感染抑止効果は認められない」との結果を得た。

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News & Views

固体のヨウ素は、加熱されると気体に直接変わる。これは、安価で小型のロケットエンジンに適した性質だ。今回、ヨウ素を使った電気推進エンジンが宇宙で機能することが初めて確かめられた。小型衛星の大規模ネットワークが実現しやすくなりそうだ。

カリホルニウム(Cf)などのアクチノイド系列後半の元素の研究は、その希少性と放射能の強さゆえに困難を極め、あまり進んでいない。今回、そうした課題の数々を克服してCfの有機金属錯体合成とその特性評価が行われ、Cf–C結合の構造的特性が初めて明らかになった。

トランスユーラシア語族が約9000年前に中国の穀類農耕民集団の中で生まれ、その拡散は農耕に支えられていたことが、言語学、考古学、遺伝学データの「三角測量」から示唆された。

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入国者に対するCOVID-19検査を最適化するためには、陽性になる可能性が高い人を予測する必要がある。ギリシャの国境では、検査対象を絞るための機械学習アルゴリズムが導入されている。

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Advances

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Where I Work

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Alessandro Rossiは、国立物理学研究所(NPL;英国ロンドン)の計測研究員、ストラスクライド大学(英国グラスゴー)の上級講師および英国研究イノベーション機構(UKRI)フューチャー・リーダーズ特別研究員。

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