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ビタミンK再利用の新たなメディエーターの発見

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 11 | doi : 10.1038/ndigest.2022.221142

原文:Nature (2022-08-25) | doi: 10.1038/d41586-022-02001-6 | Long-sought mediator of vitamin K recycling discovered

Nathan P. Ward & Gina M. DeNicola

ビタミンKは、ワルファリンと呼ばれる薬剤の有害な副作用に拮抗する。研究者たちは、長い間、この拮抗作用を可能にする酵素の正体を突き止めようとしてきた。 今回、フェロトーシスと呼ばれるタイプの細胞死の解析から、思いがけなくこの謎が解明された。

ヒト血中で形成された血栓の電子顕微鏡写真
血栓治療に有効なワルファリンであるが、過量投与や中毒時には血液凝固不全を起こしてしまう。その際にはビタミンKを投与して血液凝固を是正させるが、作用機序は不明だった。三島らは、フェロトーシス関連のFSP1というレダクターゼが、ワルファリンに阻害されずにビタミンKを還元し、血液凝固を是正する効果があることを示した。 | 拡大する

MICRO DISCOVERY/CORBIS DOCUMENTARY/GETTY

ビタミンKは1936年に生化学者ヘンリク・ダムによって発見された。血液凝固を促進する役割があることから、ダムの母国語のデンマーク語で血液凝固を意味する「koagulation」の頭文字を取って名付けられた1。ビタミンKはナフトキノンと呼ばれるタイプの分子で、複数の分子形態で存在し得るが、凝固作用に加担しているのはVKH2として知られる「還元されたヒドロキノン型」のみである。体内のVKH2レベルは、主な(カノニカルな)ビタミンK再利用経路の一部であるビタミンKエポキシドレダクターゼ(VKOR)という酵素によって維持される。このほど、東北大学大学院医学系研究科に所属する〔現 ヘルムホルツセンターミュンヘン(ドイツ・ノイヘルベルク)所属〕三島英換(みしま・えいかん)ら2は、ビタミンK再利用の別の重要な経路において役割を担う、VKORとは異なるレダクターゼを特定したことをNature 2022年8月25日号778ページで報告している。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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