News & Views
仔マウスの口から母親へのノロウイルス感染
ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎ウイルスは、驚くほど効率的に拡散し、毎年世界中で3億例以上の小児感染症を引き起こしている1。これらのウイルスは、腹痛、下痢、嘔吐など、さまざまな不快症状を引き起こすことがある。感染経路はほぼ糞口(ふんこう)経路のみと考えられている。糞口感染では、感染者から直接排出された、あるいは食物や水に混入した便や嘔吐物の微粒子を口から摂取することで感染するとされている。しかし、NIH国立心肺血液研究所(NHLBI;米国メリーランド州ベセスダ)のSourish Ghoshら2が、Nature 2022年7月14日号の345ページに、感染性胃腸炎ウイルスの唾液を介した感染経路について興味深い証拠を示している。ウイルスの拡散を抑えるためには、衛生管理技術のさらなる改善が必要になるかもしれない。
全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。
本サービスでは、サイトご利用時の利便性を向上させるためにCookiesを使用しています。詳しくは、シュプリンガーネイチャー・ジャパン株式会社の「プライバシー規約」をご覧下さい。
翻訳:古川奈々子
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 10
DOI: 10.1038/ndigest.2022.221044
原文
Norovirus from the mouths of babes- Nature (2022-07-14) | DOI: 10.1038/d41586-022-01731-x
- Elizabeth A. Kennedy & Megan T. Baldridge
- Elizabeth A. Kennedy、Megan T. Baldridgeは共にワシントン大学医学系大学院(米国ミズーリ州セントルイス)に所属。
参考文献
- GBD 2016 Diarrhoeal Disease Collaborators. Lancet Infect. Dis. 18, 1211–1228 (2018).
- Ghosh, S. et al. Nature 607, 345–350 (2022).
- de Graaf, M., van Beek, J. & Koopmans, M. Nature Rev. Microbiol. 14, 421–433 (2016).
- Zhuo, R. et al. J. Mol. Diagn. 20, 56–62 (2018).
- Anfruns-Estrada, E. et al. Viruses 12, 1369 (2020).
- Atyeo, C. & Alter, G. Cell 184, 1486–1499 (2021).
- Ettayebi, K. et al. Science 353, 1387–1393 (2016).
関連記事
2025年4月号
2025年4月号
2025年4月号
2025年4月号
2025年4月号
Advertisement