因果関係を見つけ出すツール
「メンデル無作為化」は、疫学データから役に立つ情報を取り出したいときに頼りになる手法の1つだ。だが、研究者はこれに頼り過ぎていないだろうか。
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Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200320
原文:Nature (2019-12-12) | doi: 10.1038/d41586-019-03754-3 | The gene-based hack that is revolutionizing epidemiology
1812年、英国の眼科医James Wareは、興味深い知見をロンドン王立協会の会員らに披露した。英国陸軍連隊に志願した若い男性数千人のうち、視力が低くて入隊できなかったのは20年でわずか6人だけだった。ところが、同じくらいの年齢でオックスフォード大学に入学予定の学生の場合、拡大鏡や眼鏡に頼る者が全体の4分の1にも達した1。