Research Highlights

プラスチックを消化するイモムシ

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170827

プラスチックを消化するハチノスツヅリガの幼虫をヒントに、生物工学的なプラスチック分解方法が開発されるかもしれない。

拡大する

César Hernández/CSIC

イモムシをポリ袋に入れて運んでいた研究者が、ある種のイモムシはポリエチレンを消化できることを発見した。ポリエチレンンは至る所で使われているプラスチックだが、最も分解しにくい部類に入る。

ケンブリッジ大学(英国)のPaolo BombelliとChristopher Howe、カンタブリア大学(スペイン)のFederica Bertocchiniは、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)の幼虫を入れたポリ袋にすぐに穴が開くことに気付いた。そこで、実験室でポリエチレンフィルムの上に幼虫を載せて観察すると、約100匹の幼虫が12時間ほどで92mgのポリエチレンを分解することが分かった。この分解速度は、ポリエチレンを分解することが知られている微生物よりもはるかに速い。また、幼虫をすりつぶしたものをポリエチレンフィルムに塗っても分解されたことから、幼虫はプラスチックを単にかじったのではなく、消化していると考えられる。

ハチノスツヅリガの幼虫は、ハチの巣の中に棲み、蜂蜜や蜜蝋を食す。蜜蝋には化学的にポリエチレンに似た化合物が含まれており、この分解能力は、幼虫が蜜蝋を消化するのに役立っている可能性がある。

(翻訳:藤野正美)

参考文献

  1. Curr Biol. 27, R292–R293 (2017).

キーワード

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度