Research Highlights

ウイルスには大食、細菌には小食

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 1 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170128

原文:Nature (2016-09-15) | doi: 10.1038/537283c | Feed a virus, starve a bacterium

拡大する

killerb10/E+/Getty

英語には「feed a cold, starve a fever(風邪には大食、熱には小食)」ということわざがある。このたび、マウスに食餌を与えるとウイルス感染と戦うのに役立ち、飢餓状態にすると細菌感染と戦うのによい戦略になるという結果が得られ、このことわざが裏付けられた。

エール大学医学系大学院(米国コネチカット州ニューヘイブン)のRuslan Medzhitovらは、細菌であるリステリア菌あるいはインフルエンザウイルスのどちらかを感染させたマウスにおいて、栄養状態が及ぼす影響を研究した。細菌を感染させたマウスは、食餌を与えない場合に生存したが、食餌を十分に与えた場合には死亡した。対照的に、インフルエンザウイルスを感染させたマウスは、飢餓状態の場合にはほぼ全てのマウスが死亡したが、食餌を十分に与えた場合にはほとんどのマウスが生き延びた。また、細菌性炎症の際には、食餌からのグルコースにより、脳組織を損傷から保護する代謝過程が阻害されたが、ウイルス性炎症の際にはグルコースが脳を保護していた。

これらの知見は、異なる種類の炎症応答が独自の代謝プログラムを持っていることを示している。

(翻訳:三谷祐貴子)

Cell 166, 1512–1525 (2016)

キーワード

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度