Nature ハイライト

水文学:河川工事によってミシシッピ川の増水が悪化する

Nature 556, 7699

河川流出量の計器記録は、近年の洪水の活発化をより長期的な観点から評価するには時間的に十分にさかのぼっておらず、気候変動と人間活動が洪水にどの程度の影響を与えた可能性があったか解明するのは難しい。今回S Munozたちは、河川流出量、木の年輪、堆積物、気候のデータをまとめて、ミシシッピ川の過去の洪水の頻度を再構築した。その結果は、100年洪水の規模が、過去500年にわたって約20%増大したことを示している。気候サイクルによって数十年の時間スケールの洪水の変動の大部分を説明できるが、長期的な増大の約4分の3は、河川工事に原因があることが分かった。

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