Nature ハイライト

Cover Story:自由航行権:転移におけるがん幹細胞の重要な役割

Nature 543, 7647

表紙は、血流に乗って転移するがん幹細胞の想像図である。がん幹細胞は、腫瘍の増殖と転移性播種を支えていると考えられているが、多くの種類のがんではその実験的証拠は十分でない。今回F de Sousa e Meloたちは、大腸がんでは、可塑性によってLgr5+幹細胞が原発性腫瘍の増殖に不要となることを明らかにしている。Lgr5+細胞を除去しても、予期された退縮は見られず、腫瘍は、Lgr5幹細胞によって維持されたのである。しかし、Lgr5+細胞の除去によって大腸がんの肝臓への転移性播種と肝臓での増殖が大きく阻害されたことから、Lgr5+がん幹細胞は、この過程に重要であり、転移性疾患を管理するための標的となる可能性が示された。

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