Nature ハイライト

構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル

Nature 538, 7623

P2X受容体はATP依存性イオンチャネルであり、免疫系や心血管系、神経系で重要な役割を担っており、薬剤標的候補である。今回E Gouauxたちは完全なヒトP2X3受容体について、さまざまな状態の高分解能構造を報告し、特にサブタイプ選択的アンタゴニストがその特異性を発揮する仕組みを重点的に明らかにしている。今回決定されたのは、アポタンパク質の静止状態、アゴニストが結合して小孔が開いた状態、アゴニストが結合して小孔が閉じた脱感作状態、アンタゴニストが結合して小孔が閉じた状態の構造で、リガンド依存性あるいは電位依存性イオンチャネルのゲート開閉の完全なサイクルが初めて示されている。

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