Nature ハイライト

量子物理:冷たい半導体の熱い進展

Nature 432, 7018

ボース‐アインシュタイン凝縮体はあたかも一つの独立した存在のようにふるまう粒子集団である。凝縮体は、電気を抵抗なしで通し、摩擦なしに流れるなど極めて特異な性質を示す。 今週号でJ P EisensteinとA H MacDonaldが半導体中のこのような凝縮体の研究における最新の進展について概説している。半導体ならば従来からある電子回路に統合できるため、この概説は凝縮体のふるまいについての理解を深める上で有用となろう。理論的にはボース‐アインシュタイン凝縮体は半導体中に存在すると予言されているが、その存在を示す決定的な証拠はまだ得られていない。 EisensteinとMacDonaldは、低温の半導体材料からできた2層系を使う方法が最も有望であると論じている。この系ならば、電子が隣の層にいるホールとペアを組み、凝縮体を形成する可能性があるからだ。

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