Nature ハイライト

量子物理:光の量子メモリー

Nature 432, 7016

微弱なレーザーパルスが運ぶ量子情報が原子気体中にトラップされたことが今週号で報告されている。この実験は将来、コンピューティングシステムに使う「量子メモリー」の基本原理となるかもしれない。 量子コンピューターは従来型のデスクトップより非常に高速になると考えられている。それは、量子コンピューターが同時に「オン」にも「オフ」にもなれる「キュービット」で情報を処理できるからだ。その結果、理論的には、量子コンピューターは大量の計算を同時に行うことが可能になる。 E Polzikたちは、セシウム原子の希薄な気体中に短いレーザーパルス光を導き、原子中にトラップされた量子情報が最初のパルスから4ミリ秒後まで検出できることを見出した。「このスキームは、重厚長大な技術ではなく賢明なアイデアに基づいたむしろ簡単な要素に基づいており、そのため実際のデバイスに応用できるだろう」とJ-M RaimondがNews and Viewsで述べている。

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