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医学:無作法は遺伝のせい?

Nature 427, 6969

屋内でサングラスをかけるのが相手に失礼であるのはよく知られている。しかし、場合によってはちょっと情状酌量が必要である。こういう人達は遺伝的性質のために明るい光への適応が難しくなっているのかもしれないからだ。 明るさの突然の変化に適応しにくい、つまり5から10秒ほどは実際に目が見えない状態になり、それからやっと目が慣れるという人は結構多い。そういう人の網膜も多くの面で正常なように見えるので、T P Dryjaたちは、その遺伝的性質を調べてみることにした。すると、このような症状を示す5人の患者の全員がRGS9の機能を変化させる変異をもっていた。RGS9は、視力にかかわることが知られている酵素である。 この遺伝的欠陥によって、光受容器とよばれる目の光感受性細胞に影響がでて、光の強度変化にすばやく対応する能力が影響を受ける。Dryjaたちのチームは、このような症状を「bradyopsia」(視覚反応が遅いという意味)と名づけている。

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