Nature ハイライト

植物科学:miRNAの前駆体は調節性ペプチドをコードしている

Nature 520, 7545

マイクロRNA(miRNA)は、その標的遺伝子の発現をメッセンジャーRNAのレベルで抑制することが主に知られている。miRNAはずっと大きな一次転写産物(pri-miRNA)のプロセシングによって生じる。J Combierたちは、少なくとも植物では、pri-miRNAは単にmiRNAの供給源であるだけでなく、調節性ペプチド(miPEP)もコードしている可能性があることを示唆するデータを報告している。さらに予想外なことだが、pri-miRNAから生じるmiPEPは、同じpri-miRNAから生じる成熟miRNAの蓄積を増大させ、それによってmiRNAの影響を増強するらしい。著者たちは、このようなペプチドのうちの2つであるmiPEP171bとmiPEP165aが植物の根の成長に役割を担っていることを実証している。活性を持ったmiPEPはこれらの他にさらに5つ見つかっているので、この現象は一般的なものだと考えられる。化学合成したmiPEP171bとmiPEP165aを植物に導入すると、天然物と同じ分子経路に従って移動し、根の成長に同様の影響が見られたことから、今回の観察結果は農学への応用が可能となりそうだ。

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