Nature ハイライト

宇宙:見えない宇宙の質量の発見

Nature 433, 7025

銀河間の温かいガス雲に隠れて見つかっていなかった、宇宙の「通常」物質の一部が発見されたようだ。 計算によれば我々の宇宙は、大部分がダークエネルギーとダークマターで形成されていると推定される。これらの及ぼす効果は、重力による恒星や銀河の運動、さらに宇宙膨張から判別できる。原子や分子などの通常物質からできているのは、宇宙を形成するもののうちわずか5%なのだが、これらは予想量の半分しか銀河系近傍で発見されていない。 今回F Nicastroたちは、マルカリアン421という遠方のクェーサーから来るX線が、温かいガス領域を通過するところを観測した。このX線が、通常は「見えない」電離した酸素原子や窒素原子により吸収されたことから、見つかっていなかった質量を説明できる十分な量の物質が、そのガス中に存在すると彼らは考えている。 「この領域が宇宙全体の典型であるかどうかはなんともいえない。残念なことに他のクェーサーの大部分は、こんな良質のデータが得られるほど明るくはない」とJ M ShullはNews and Viewsでコメントしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度