Nature ハイライト

神経科学:自閉症に関連する遺伝要因の解析

Nature 515, 7526

自閉スペクトラム症(ASD)は、自閉症、小児期崩壊性障害、アスペルガー症候群など、広範囲な脳の発達障害を含むグループであり、社会的相互作用やコミュニケーションの障害、反復的な行動および興味や関心の狭さを特徴とする。今回、2つの研究チームが、大規模な全エキソーム解析により、遺伝性変異およびde novoの生殖細胞系列変異がどのようにASDリスクに影響するかを検討した。S De Rubeisたちは、自閉症症例3871例とそれに対応する祖先あるいは親の健常対照群9937例についてDNA試料を解析し、ASDリスクに影響を与えると考えられる100個以上の常染色体遺伝子を明らかにした。de novoの機能喪失性変異は自閉症患者の5%以上に検出された。ASD関連遺伝子の産物の多くが、シナプス、転写、およびクロマチンリモデリングの経路で機能すると考えられる。I Iossifovたちは、ASDの小児が1人いる2500以上の家族から得たエキソームの塩基配列解読を行った。その結果、27個の信頼性の高い遺伝子標的が明らかになり、de novoミスセンス変異の13%、および「遺伝子を破壊する可能性のある(LGD)」de novo変異の43%が、それぞれASD診断の12%および9%の一因となっていると推定された。

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