Nature ハイライト

進化:島移住の「飛び石」説に一石を投じる

Nature 438, 7065

進化生物学の世界では長年にわたって、環太平洋地域のような多数の島々が散在する地域に生息する生物種は、1つの島から次の島へと「飛び石方式」で分散を繰り返して分岐し、進化していくと考えられてきた。ところが、熱帯太平洋に分布するある鳥類の「科」を系統解析した新しい研究によると、長く安泰だったこの説は実は間違いだという。  C FilardiとR Moyleは、カササギヒタキ科(Monarchidae)のたくさんの鳥類種から得たDNAを解析した。その結果、これらの種は大陸にいた集団から飛び石方式で島々に次々と移住していったのではなく、一度に太平洋群島全域にわたって均一に散らばり、定住していったらしいとわかった。  Filardiたちはこうした結論の裏づけとして、列島ごとに限定される種群は6つあり、系統解析ではそのすべてがカササギヒタキ属(Monarcha)の中に組み入れられる形になることを指摘している。この属は熱帯太平洋全域に広がっており、遠く離れて分布するこれらの種のすべてが単一の系統から生じたことを示している。  さらに著者たちの指摘によると、一部の種はオーストラリアなどの大陸域に再移住したことを示す証拠が得られたという。これは、生物種は大陸を離れて島々に向かう方向にしか移住しないとする、従来の説に反するものだ。

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