Nature ハイライト

分子生物学:状況変化に応じた体温調節

Nature 503, 7476

マウスのPET画像。代謝の活発な褐色脂肪が緑色や赤色で表れている。
マウスのPET画像。代謝の活発な褐色脂肪が緑色や赤色で表れている。 | 拡大する

Credit: Zachary Gerhart-Hines, Daniel Pryma, and Mitch Lazar, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania

哺乳類は、体温が日ごとに概日周期で変動するのに加えて、核心体温、つまり体の中心部の体温を低温から守ることもしている。今回、転写リプレッサーである核内受容体Rev-erbαが、褐色脂肪組織の働きの調節により、概日ネットワークと熱発生ネットワーク、それに体温の日周リズムとを結びつけていることが明らかにされた。Rev-erbαがほとんど発現されていない朝に低温に曝されたマウスの方が、Rev-erbαが豊富な午後5時に低温に曝されたマウスよりもはるかにうまく対応でき、またRev-erbα遺伝子を欠失させると、低温耐性が改善される。Rev-erbαは、褐色脂肪組織の脱共役タンパク質1(Ucp1)の生理的リプレッサーとして機能していて、それにより環境に反応できる形で体温リズムを維持するように働いていることが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度