Nature ハイライト

遺伝: トウモロコシの粒がむき出しになるまで

Nature 436, 7051

トウモロコシがその祖先であるテオシント(ブタモロコシ)から今日見られるような姿に進化する間に重要な役割を果たしたのは、たった1つの遺伝子に起こった変化だったらしい。  トウモロコシの穂軸を持って直接粒が囓れるのは、当たり前のように思えるだろう。しかし、トウモロコシを現在のような姿にするには数千年にわたる栽培化が必要だった。トウモロコシの原種であるテオシントでは、粒のひとつひとつの周りを固い殻が包んでいて、動物に食べられても消化されないように守っていた。この殻はとても固いので、進化によってテオシントからトウモロコシへと変わっていく際には、非常に多くの遺伝的変化が必要だったのではないかと一部では考えられていた。  しかし、J Doebleyたちは今週号に、たった1つの遺伝子に生じた変化が大きな影響をもたらしたようだと報告している。tga1と呼ばれるこの遺伝子は他の遺伝子群を調節するタンパク質をコードしている。tga1に生じた小さな変化だけでほかの多数の遺伝子の発現に影響が及ぶ可能性はこれによって説明される。  この研究は、1個の遺伝子に生じた、取るに足らないような変化が植物の外見を著しく変える場合があることを示しているとDoebleyらは論じている。

2005年8月4日号の Nature ハイライト

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