Nature ハイライト

細胞:幹細胞が分裂する際の姉妹染色分体の運命

Nature 498, 7453

山下由起子(米国ミシガン大学)とS Yadlapalliは、単一染色体レベルの分解能を備えたCO-FISH(染色体配向蛍光in situハイブリダイゼーション)法を用いた実験で、ショウジョウバエの雄の生殖系列幹細胞(GSC)が非対称に細胞分裂する際には、性染色体の姉妹染色分体の分離が非ランダムに起こり、常染色体の場合とは異なることを明らかにしている。一方、GSCの過剰増殖の際や、脱分化したGSCでは、姉妹染色分体の分離はランダムに起こる。これらの知見からすると、姉妹染色分体がランダムに分離しない理由は、これまで考えられていたように、複製によって引き起こされる変異を避けて「不死DNA鎖」を守るためではないらしい。

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