Nature ハイライト

地球:マントル物質循環の時間スケール

Nature 496, 7446

クック諸島マンガイア島の玄武岩サンプルMG1001の交差偏光画像。
クック諸島マンガイア島の玄武岩サンプルMG1001の交差偏光画像。 | 拡大する

Credit: J.M.D. Day

沈み込み帯でマントルへ注入される海洋地殻の中にはホットスポット火山で噴出して地表へ戻ってくるものがあると考えられているが、この過程の時間スケールを絞り込むことは難しい。R Cabralたちは、クック諸島で得られた海洋島玄武岩に、非質量依存同位体分別を示す硫黄同位体の特徴が見られることを報告している。大気中に酸素が十分に存在するようになった約24億5000万年より前には、そのような硫黄同位体の特徴が大気中の光化学反応によってのみ生成されたと考えれば、この観測結果から、沈み込んだ地殻物質がマントル中に存続する時間の長さの制約が得られ、沈み込んでからホットスポット下へ上昇するまでのマントル対流の時間スケールを絞り込むことができると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度