Nature ハイライト

生化学:サーチュインが持つタンパク質リシンデアセチラーゼ活性

Nature 496, 7443

サーチュインファミリーの酵素は、加齢、転写、アポトーシスや代謝を調節することから大きな注目を集めている。この酵素群はNAD依存性デアセチラーゼとされることが多いが、実際のところ、一部の酵素はin vitroではきわめて弱いデアセチラーゼ活性しか持たず、2つの酵素は他とは異なる基質のほうを選ぶ傾向があることがすでに報告されている。今回、DNA修復と転写に重要な酵素であるヒトSIRT6が、リシン残基からミリストイル基などの長鎖脂肪酸アシル基を取り除き、TNF-α分泌を促進する機能を持つことが明らかにされた。すでに報告されているそのヒストンデアセチラーゼ活性は、SIRT6の機能の一部にすぎないのかもしれない。SIRT6の新たな活性が明らかになったことで、タンパク質のリシン残基の脂肪酸アシル化は重要な研究課題となりそうだ。

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