Nature ハイライト

医学:低カロリー食は長寿命を保証しない

Nature 489, 7415

食物摂取量の制限が寿命を延ばし健康状態を改善することは、さまざまな生物種で明らかにされている。今回、アカゲザルで23年間にわたってカロリー制限を行った結果が報告された。年齢が上がってからカロリー摂取制限を始めた場合には、生存期間の延長はなかったが、代謝プロファイルは改善された。若いときにカロリー制限を行ったサルでは、老化関連疾患の発症が遅くなる傾向が見られたが、やはりこれらも寿命の延長は見られなかった。ヒトでの寿命の研究は実行不可能であることから、非ヒト霊長類を使った研究がそれに最も近いものであり、これらの結果は、長寿命の動物でのカロリー制限の影響は決して単純なものではないことを示している。

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