Nature ハイライト

Cover Story:量子バスに乗るキュービット:超伝導回路によるデータ処理

Nature 449, 7161

微細加工した超伝導回路素子は、量子の挙動力を情報処理に用いることができる。古典情報ビットとは異なり、量子情報ビット(キュービット)はオンとオフの重ね合わせ、または混合状態を形成することが可能で、高速で自然な形の並列処理が行える。これまで、キュービット-キュービットの直接結合は最大4個のキュービットまで実現していたが、今回2つの研究グループが別々に、この次にあたる重要な段階を実証した。すなわち、長さが数ミリメートルの超伝導伝送線路で形成した空洞共振器の形をした量子バスを介して、2個の超伝導キュービット間での量子情報の伝達と交換が観測されたのである。このマイクロ波共振器を使うことで、2個の量子ビット間での量子情報の保存、転送および交換ができる。これにより、多重化キュービットの読み出しも行える。この基本アーキテクチャーは拡張に適しており、多数の超伝導キュービット間のコヒーレントな相互作用が可能になるかもしれない。表紙は、2個の小さい超伝導位相キュービットを接続する長いジグザグ形の空洞共振器、つまり量子バスを示している(Letters pp.438, 443, N&V p.415, www.nature.com/podcast)。

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