Nature ハイライト

医学:白血病の治療標的であるFLT3

Nature 485, 7397

急性骨髄性白血病(AML)では、活性化型のFLT3遺伝子内縦列重複変異が比較的頻繁に起こっている。これらは予後不良に関連しているが、AML発症の一因となっているのかどうかはまだはっきりしていない。FLT3キナーゼの阻害剤AC220(キザルチニブ)は、現在AML患者に対する臨床試験で評価が行われているところだが、N Shahたちは、AC220に対して抵抗性を与えるFLT3の二次変異を明らかにしている。この変異は、AC220処理した細胞株、およびAC220の投与を受け、当初は反応を示した後に再発を見た患者に存在し、FLT3阻害物質の結合を防ぐことで抵抗性をもたらすらしい。この研究により、一部のAML症例ではFLT3が有望な治療標的であることが確証された。

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