Nature ハイライト

地球:ペロブスカイトが支配的な下部マントル

Nature 485, 7396

地球上部マントルは、地球が形成された物質であると考えられている隕石と比較すると、ケイ素が大幅に少ないように見える。この「行方不明のケイ素」問題は激しい議論を引き起こしてきており、ケイ素の不足が核の中のケイ素で釣り合っているという説、あるいは上部マントルはマントル全体を表してはおらず下部マントルはケイ素に富んでいるとする説が示されている。村上元彦(東北大学)たちは今回、後者を裏付ける証拠を報告している。彼らは、下部マントルと一致する圧力および温度条件下でケイ酸塩ペロブスカイトとフェロペリクレース鉱物中を伝播する音速の室内測定を行い、得られたS波速度の値を、下部マントルを通過する地震波データと比較した。そして、結果と最もよく一致する鉱物学的モデルは、下部マントルでは93%以上がペロブスカイトからなるとするものであるという結論に達した。このことは、上部マントルに比べて下部マントルはケイ素に富んでおり、コンドライト的地球モデルと一致し、上部マントルと下部マントルの間の質量輸送は限定的であることを示唆している。

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