Nature ハイライト

物理:量子シミュレーションをスケールアップする

Nature 484, 7395

量子シミュレーションを使えば、量子磁性のような現状では扱いにくい多体問題が研究できる可能性がある。しかし、技術的な難問があるため、シミュレーションはこれまで数十個程度のキュービットに限られていた。この数は計算に関しては十分ではない。Brittonたちは今回、電磁ぺニングトラップ中に保持された数百個のベリリウムイオンから自然に生じた二次元三角結晶格子を使って、調節可能な反強磁性相互作用をシミュレートできることを実証した。この方法によって、量子シミュレーションの威力を量子磁性における一連の興味ある問題に持ち込むことが可能となりそうだ。

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