転写因子CBF–β(core binding factorβ)は、RUNXファミリータンパク質のDNA結合活性を調節している。今回別々に行われた2つの研究によって、CBF–βは、ウイルス複製を阻害する宿主因子であるcDNAデアミナーゼAPOBEC3Gが媒介する宿主抑制をHIV-1が逃れる能力の調節にもかかわっていることが明らかになった。これらの研究から、CBF–βはHIVタンパク質のVifと会合すること、またAPOBEC3のユビキチン化と分解にかかわるVif–Cul5 E3ユビキチンリガーゼ複合体の集合に不可欠であることが示された。2つの研究グループは共に、このVif–CBF–β相互作用の阻害が、HIV-1感染に対する新たな治療標的となるだろうと考えている。
2012年1月19日号の Nature ハイライト
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