Nature ハイライト

Cover Story:黒死病菌のゲノム:再構築された14世紀のDNAは現代の病原菌と非常に近かった

Nature 478, 7370

14世紀にヨーロッパ中に広まった黒死病、つまり腺ペストの大流行の原因となったペスト菌(Yersinia pestis)のゲノムが、最新のDNA回収技術と塩基配列解析技術を使って再構築された。このゲノムは、ロンドンのイーストスミスフィールドで、1348年と1349年に2,000人を超す黒死病犠牲者が埋葬された、王立造幣局跡の大規模な墓地から発掘された4名の遺骨から抽出されたすべてのDNAをつなぎ合わせたものである。ゲノムの概要塩基配列は、現在のペスト菌株とのさほどの相異は認められず、黒死病が現在の腺ペストの大流行よりもずっと致死率が高かったことに対する答えは得られていない。表紙は王立造幣局跡での1987年の発掘作業。(Letter p.506, N&V p.465, News Feature p.444)

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