Nature ハイライト

宇宙:ホットジュピターの重さを量る

Nature 465, 7301

既知の太陽系外惑星の大部分は、視線速度法を使い、周囲を回る惑星が引き起こす親星の「揺れ」を測定して発見されたものだ。惑星の軌道速度を決定できれば、モデルに依存したり、余分な仮定をしたりせずに、親星と惑星の両方の質量を求めることができる。今回、よく研究されている「ホットジュピター」HD 209458bで、この惑星が親星と地球の間を横切る際に、一酸化炭素の吸収線が示すドップラー偏移の変化を分光測定することにより、これに成功した。親星の質量は太陽質量の1.00±0.22倍、惑星の質量は木星質量の0.64±0.09倍である。また、親星の速度に対して一酸化炭素のシグナルが青方偏移していることから、惑星の高高度領域では、親星に照らされている昼側から、照らされていない夜側に向けて強い風が吹いていることが明らかになった。

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