Nature ハイライト

進化:鳥類の進化は「断続」的

Nature 430, 6997

1970年代に、N Eldredgeと最近亡くなったS J Gouldが提唱した「断続平衡説」によれば、進化の道筋は漸進的で緩やかなものではなく、ときおり大きな出来事が起きるという特徴があるらしい。つまり、多くの動物でほとんどの時間、変化は少なく、変化の大部分は新種が生まれる「爆発期」に集中するというのである。この説に対しては未だに異論を唱える向きもあり、その理由の1つとして、大部分の生物分類群ではこれを十分に検証することが難しかったことがあげられる。今回R E Ricklefsは、スズメ目鳥類(庭を訪れる見慣れた鳥類のほとんどが含まれる)に、「断続的」といっていい形式で進化する傾向が見られることを示している。 Ricklefsは約1,000種の鳥類について体の測定データをもとに統計解析を行って、時間経過の影響と種形成の影響とを別々にときほぐし、鳥類の形態に起こった変化の大部分は、経過時間にわたって均等に分布しているのではなく、新種の形成の前後に集中する傾向が見られることを示している。ただし、系統が分岐する、つまり分岐によって種数が増えることで、観察されるような形態の多様化がどのように促進されるのかという、もっと大きい疑問は依然として解明されないままである。

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