Nature ハイライト

医学:感染性下痢の原因毒素を見直す

Nature 467, 7316

Clostridium difficileは、ヨーロッパや北米の病院で院内感染性の下痢の最も一般的な原因菌であり、2種類の毒素を産生する。これらの毒素の相対的な重要性については広く議論されている。動物実験では、精製したトキシンAだけでC. difficile感染にみられるほとんどの病態を誘導できることが示されているが、最近Natureに掲載された論文(go.nature.com/oh6un5参照)では、もう1つの毒素であるトキシンBが病気の症状の主要な原因であることが示唆されている。今回、トキシンAもしくはトキシンBのどちらか一方だけを産生するC. difficile株に加えて、どちらの毒素も産生しない二重変異株を初めて使った新たな研究により、発病には両方の毒素が重要であり、診断や治療の際には両方の毒素を考慮する必要があることが実証された。

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