Nature ハイライト

材料:結晶にうまくつながる準結晶

Nature 461, 7266

準結晶は、周期構造で禁じられている5回回転のような「不可能な」充填対称性と長距離秩序とを兼ね備えた、特異な物質である。これまで準結晶は、金属間化合物、ブロック共重合体、レーザー定在波パターン作用下にあるコロイド粒子など 、特定の系でしか発見されたことがなかった。今回Talapinたちは、コロイドナノ粒子の大きさを慎重に調整し、新しい充填モチーフを用いることによってコロイドナノ粒子を自己集合させて、非周期的な準結晶格子を作製した。そして、材料の組み合わせ方が異なる数種ナノ粒子で準結晶を得ており、準結晶形成に重要なのは球充填と単純な粒子間ポテンシャルだけであり、成分間の特殊な相互作用は重要でないという事実を指摘している。また、これらの準結晶は、古典的なアルキメデス・タイリング・パターンに似た構造をとる薄い「ぬれ」層を通して、通常の結晶とつなげることができる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度