Nature ハイライト

Cover Story:柔らかく足を運ぶ:靴が発明される以前の快適な走り方

Nature 463, 7280

緩衝材の入った現代的なランニングシューズが登場した1970年代以前、つまり人類進化の歴史の大部分で、人間は裸足か、あるいはごく薄い靴を履くだけで走っていた。D Liebermanたちは今回、靴を常用しているランナーといつも裸足のランナーの生体力学的な比較を行い、裸足で走ることは、衝撃に関連した反復的ストレス傷害の一部から、ランナーの足部や下肢を保護している可能性を示している。運動学的および動力学的分析により、現代的な靴によってランナーは、歩く際と同じように「踵から着地」するようになることがわかった。靴を履かないランナーは、母指球または足裏全体で着地することが多い。このことは、裸足のランナーは接地時に足首を動かしており、それによって着地の衝撃が、靴を履いていて後足部で接地する場合よりも小さくなることを意味している。ジャンプして踵から着地したときと、つま先から着地したときの衝撃を比較してみてほしい。表紙は、今回の研究に参加したケニアの若者たちの足である。彼らは靴を履いておらず、時には1日に20 kmも走る。その足は健康で強靱である。近年まで、誰もがこのような足をもっていたのだ(Letter p.531, News & Views p.433, www.youtube.com/NatureVideoChannel)。

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