Nature ハイライト

細胞:Hsp70がリソソームを救う

Nature 463, 7280

Hsp70(熱ショックタンパク質70)として知られる進化的に保存されたシャペロンは、リソソーム膜の透過性を抑制することで細胞を守っている。この過程が起こる仕組みに関する新たな研究により、Hsp70がリソソームに局在することが、細胞保護効果に極めて重要であることが示された。Hsp70はBMPとよばれる陰イオン性脂質に結合し、この相互作用が酸性スフィンゴミエリナーゼ活性を刺激する。重症のリソソーム蓄積症であるニーマン・ピック病患者では酸性スフィンゴミエリナーゼ活性が低下しており、このような患者から採取した細胞に組み換えHsp70を投与するとこの表現型が正常化されて、異常なリソソームが修復される。この研究は、リソソーム蓄積症に対する新たな治療法につながりそうだ。

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