Nature ハイライト

細胞:SUMOとDNA修復

Nature 462, 7275

哺乳類のDNA損傷応答に、SUMO(small ubiquitin-like modifier)化経路が重要な役割をもつことが確証された。SUMOタンパク質は、ほかのタンパク質に付加される小分子で、細胞周期やストレス応答などの多くの細胞過程に影響を与える。乳がん感受性遺伝子BRCA1の産物はDNA損傷応答に関与することが知られているが、Morrisたちは、この産物のユビキチンリガーゼ活性がリガーゼであるPIASを介するSUMO修飾によって、DNA損傷後に活性化されることを明らかにしている。またGalantyたちは、PIAS1とPIAS4のという2つのリガーゼが、DNA二本鎖切断部位でさまざまなDNA修復タンパク質にSUMOタンパク質を付加すること、またこのSUMO化は、これらの修復タンパク質の一部が続いてユビキチン修飾を受けるのに必要であることを示した。これらの研究は、SUMO修飾がDNA修復にかかわっているばかりでなく、がんの素因やがん発生にかかわる因子でもある可能性を示唆している。

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