Nature ハイライト

遺伝:共通するマラリア耐性

Nature 460, 7253

ヒトでは、FY遺伝子(別名DARC)の変異が、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)感染の感受性や耐性の違いをもたらすことがある。FYは赤血球表面に存在するケモカイン受容体をコードしており、この受容体はマラリア原虫の侵入箇所であることが知られている。今回、アンボセリ国立公園(ケニア)のキイロヒヒ集団についての研究で、ヒヒのFY遺伝子の変異が、マラリアに似た寄生虫Hepatocystisに対する感受性の重要な決定因子であることが明らかにされた。ヒヒのFY遺伝子の機能性変異体はヒトでみられる変異体と相同ではないが、ヒヒとヒトのFYシス調節性遺伝子領域の変異のパターンは、この2つの種の間に機構的および選択的な類似性が存在する可能性を示している。

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