Nature ハイライト

植物:ターゲットは植物遺伝子

Nature 459, 7245

作物の収量向上および病害抵抗性の遺伝子操作による改良は、選択的に遺伝子を修飾する効率的な方法が存在しないため、範囲が限られていた。目的に合わせて設計したジンクフィンガーヌクレアーゼを使う、ジンクフィンガータンパク質法は、この不足を補うものとなりそうだ。ジンクフィンガーヌクレアーゼは人工キメラタンパク質で、細胞のDNA修復装置がもつ天然の認識機構により、標的の遺伝子座に配列特異的な二本鎖DNA切断箇所を作り出す。今回、2組の研究グループがこの新しい技術をうまく使った研究を報告している。Shuklaたちは、トウモロコシの遺伝子IPK1の修飾により、この重要な作物に除草剤に対する耐性を導入し、同時にフィチン酸代謝を変化させた。Townsendたちは、タバコのSuR遺伝子座を標的として、除草剤イミダゾリノンおよびスルホニル尿素への抵抗性を与えることに成功した。この方法では遺伝子ターゲッティングが高頻度で起こるので、植物の内在遺伝子を修飾する際の定番的な手法となるかもしれない。

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