Nature ハイライト

生化学:P2X4とASIC1の構造は似ている

Nature 460, 7255

P2X受容体はATP依存性の非選択的陽イオンチャネルで、痛覚や炎症反応に関連しているが、その構造はまだわかっていない。Kawateらは今回、閉状態のゼブラフィッシュP2X4受容体の結晶構造を報告している。その三量体構造から、リガンド結合、陽イオンの進入やチャネル開閉の分子基盤のいくつかが明らかになった。同じグループのもう1つの論文では、ニワトリの脱感作状態にある酸感受性イオンチャネル1(ASIC1)の構造が示されている。P2X受容体と同じように、ASICも三量体だが、これら2つは全く異なるイオンチャネルファミリーに属する。ASIC1の構造決定により、イオン透過と脱感作が起こる仕組みと思われるものが示された。また、ASICとP2Xの構造の比較からは、これらの機能的に異なるチャネルが同じような機構的な原理を採っていることが示唆される。

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