Nature ハイライト

物理:光と物質の結合の時間制御

Nature 458, 7235

基本的なレベルでの光と物質との相互作用は、過去20年にわたり、共振器量子電気力学を用いて集中的に研究されてきた。共振器量子電気力学では、反射マイクロ共振器に閉じ込められた光と原子やほかの粒子との相互作用を扱う。しかし、光と物質の結合が時間とともにどのように発展するかついては、詳しい研究が行われていない。Günterたちは今回、半導体量子井戸構造中で、光の振動の1サイクル以内の速さで強い光–物質結合をスイッチオンできる時間分解測定装置を開発した。これによって、急速なスイッチングが起きているとき裸の光子の集団が、どのようにポラリトンへ変換されるかが観測できる。この技術は、動的カシミール効果やブラックホールのホーキング放射を連想させる、量子真空放射の発生などの現象を研究するのにも適している。

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