Nature ハイライト 進化:原始のカメはどのように甲羅を発達させたか 2008年11月27日 Nature 456, 7221 中国南西部の貴州省で三畳紀後期の海成層から2億2,000万年前のカメの化石が良好な保存状態で発掘され、これによって、カメが独特の体制を獲得する過程の中間段階が明らかになった。カメ類には進化の移行型がほとんど見つかっていないため、この仲間の形態移行は爬虫類進化の謎の1つとなっている。発見された化石は、既知のものとしては最も原始的なカメである。その腹側の甲羅(腹甲)は完成した形をしており、背中側の甲羅(背甲)よりも先に進化を遂げていた。この新発見の化石では、背甲に椎板しかみられない。このことは、背甲が椎板の骨化と肋骨の拡幅を経て進化したことを示しており、その一連の経過は今日のカメの胚発生パターンに再現されている。 2008年11月27日号の Nature ハイライト 植物:ジベレリンの結合部位 遺伝:1つの遺伝子から多数のタンパク質へ 宇宙:星の光に浮かび上がるエンセラダス 工学:集積回路で光圧を利用する 化学:原子を節約する 進化:原始のカメはどのように甲羅を発達させたか 細胞:筋の幹細胞 免疫:ILFの維持 生態:筋肉疲労のシグナル伝達 目次へ戻る